最近、メジャーリーガーの菊池雄星投手が読書好きということを知りました。
YouTubeの番組にも色々出られており、その中でこの本を勧めていました。
個人的に海外の翻訳本は読むのに時間がかかるのですが、この本は割とサクサク読めました。
1.「GRIT」とは
タイトルそのまま、「やりぬく力」です。
一つの物事を最後までやりぬく、飽きることなくやり続ける力を指しています。
心理学者の筆者は、才能や遺伝子ではなく、この「GRIT」こそが成功の秘訣と指摘しています。
2.「GRIT」の2つの要素
GRITは2つの要素から構成されています。
・情熱:長期的な目標に対して、心から興味を持ち、夢中になれること。
・粘り強さ:失敗や挫折を経験しても、諦めずに粘り強く努力を続けること。
特に粘り強さについては多くの例を用いて説明されていました。
練習や勉強を途中で投げ出すことなく、一定の期間続ける事が大切であると。
個人的に響いたのは、オリンピック選手の練習に対するモチベーションの例です。
多くのオリンピック選手は情熱を持ち、心から興味を持って練習に励んでいます。
ただハードな練習自体を心から楽しんでいるという選手は多くなく、失敗や挫折を繰り返しながらも粘り強く続けているとのこと。
その証拠に、引退後も現役レベルの練習を続ける選手はほぼいないということでした。
確かに練習自体を心から楽しめているのであれば、引退後も続けますもんね。
3.達成の方程式
筆者曰く、努力は2段階で作用するとのことです。
・才能 × 努力 = スキル
・スキル × 努力 = 達成
才能は努力を通して磨かれるものであり、磨いたスキルを努力によって伸ばすことで達成をつかみ取ることができるという考え方です。
4.GRITは後天的に伸ばせる
本書では、やりぬく力を「GRITスコア」として数値化しています。
やりぬく力は性格由来のものに感じますが、訓練により伸ばすことができるとのこと。
アメフトの強豪校でもこの評価方法を採用しており、成長を確認するために毎年必ず測定しているそうです。
GRITを伸ばす方法として下記を挙げていました。
・興味を持つこと
・意図的な練習
・目的を見出すこと
・成長志向
意図的な練習というのは、目的もなくダラダラとした練習、勉強のことです。
なんとなく走って満足、なんとなく単語帳読んで満足、といったところでしょうか。
例えば、前回のマラソンよりも30秒タイムを縮める、や、来月までに単語を500個覚える等、具体的な目標を持って、明確なハードルを課して臨む練習のことです。
もちろんストレスは大きく、GRITスコアが高い人でも 約5時間/日 が限界だそうです。
このような取り組みをすることで、GRITスコアを伸ばすことができます。
なんとなく、、、で英語を勉強している私には耳が痛い項目でした。
全体的に、心理学者目線での内容と、子供を持つ親目線での内容がうまく混合されているように感じました。
自分を伸ばすために読むのもよし、子育て目線で読むのもよし、の本です。
世界中でベストセラーになっているのも納得です。
私も2人の子供がいるので、「やりぬく力」を伸ばせるように日々子供と接していきたいと思います。

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